2人用のフリー台本です。
3分程度の短い台本になっていますので、
声劇やレッスン等で、ご自由にお使いください。
キャスト総数2人(推奨:男2)
登場人物
佐藤:『革命』を掲げる犯罪組織のメンバー。雑用やパシリに使われている。
リツ:犯罪組織に潜入しているスパイ。佐藤と共に雑用の仕事をしながら、情報を集めている。
所要時間(目安)3分程度
ジャンルシリアス
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『革命』
【散らかった倉庫】
佐藤「うやぁ~、また皆散らかして。倉庫は綺麗に使ってって言ってるのに!誰が掃除すると思ってるのぉ、もう。」
【佐藤、倉庫を掃除し始める。】
リツ「なぁ、佐藤さんはなんで組織に入ったの?」
佐藤「え?」
リツ「革命って柄じゃないでしょ。」
佐藤「ははっ・・・やっぱりそう見える?そうなんだよねぇ、なんで入ちゃったんだろ。自分でもわかんないや。」
リツ「佐藤さん、こんな犯罪者だらけの集団なんかと縁なさそうな顔してるじゃん。何かきっかけでもあったの?」
佐藤「それ褒めてる?貶してる?」
リツ「褒めてるよ。優しそうな顔してるのになぁっと思って。普通に生きようと思えば生きれたでしょ、なのに何で。」
佐藤「あぁ・・・普通か。」
リツ「なに?」
佐藤「いや、何でも?」
リツ「噓でしょ。なんかあるって顔してる。」
佐藤「ははっ・・・。いやさ、やっぱ普通に見えるよね、俺って。ほんと普通なんだよ、普通の人間でさ。・・・世の中には、自己中心的っていうか、人の心がないっていうか、そういう訳の分からない人間もいるじゃん?」
リツ「あぁ、まあ。」
佐藤「それ、うちの親なんだよね。そういう人たちだったの。」
【佐藤、荷物に腰掛ける。】
佐藤「別に犯罪に手を染めてたとか、人を殺したとかそういうんじゃないけど。例えば、道にゴミをポイ捨てとか?普通にできる人たちだった。」
リツ「え、ポイ捨て?」
佐藤「へへっ。こういうとしょうもない感じするけど、なんていうの、みんなが持っているような倫理観?的なのが無い人たちで。ずっと違和感があった。だから小さい頃は、親が捨てたゴミ、こっそり持ち帰って家で捨てたりしてた。」
リツ「いい子じゃん。」
佐藤「そうでしょ?自分でも思う。なんであんな親から、俺みたいな普通の人間が生まれたのか分かんなくて。でも、時々思ってたんだよ。俺もああいう風な人間に生まれてたら、こんなに悩まずに生きていけたのかなって。だから知りたいと思ったのかも、あいつらみたいな人間が何を考えて生きてるのか。」
リツ「・・・それが、組織に入った理由?」
佐藤「いや・・・そういうわけでもないかも。ビルを爆破したり、一般人殺したり、正直ドン引きだし。俺には多分一生理解できない。ただ・・・。」
リツ「ただ?」
佐藤「・・・はい!もういいでしょ、こんな話。ねぇリツ君も手伝ってよ、夕方までには倉庫綺麗にしたいからさ。」
リツ「嫌だね。」
佐藤「え?リツ君、どこ行くの?」
リツ「部屋。眠いから寝るわ。」
佐藤「ちょっと、俺一人で掃除するの?」
リツ「頑張ってね、佐藤先輩。」
佐藤「えぇー・・・もぉー・・・。」
―終わり―
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