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2人用台本 恋愛

フリー台本『指輪』【2人用】

 

2人用のフリー台本です。

5分程度の短い台本になっていますので、

声劇やレッスン等で、ご自由にお使いください。

 

キャスト総数2人(男1:女1)

ポチ子より

新しい眼鏡にしたら、耳の裏が痛い。

 

所要時間(目安)5分程度

 

ジャンル恋愛

 

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『指輪』

 

【海辺を歩く男女】

 

綾子「さむーい!」

 

晴斗「そりゃ冬だからな。」

 

綾子「海風が体に沁みますねぇ、晴斗さん。」

 

晴斗「なんだよ、その気持ち悪い言い方。さみぃ・・・わざわざこんなクソ寒い時に散歩しなくてもいいだろ。」

 

綾子「だめだよ、今日じゃなきゃ。もう来れなくなっちゃうんだから。」

 

晴斗「・・・ホントに良かったのかよ。」

 

綾子「ん?」

 

晴斗「最後が、こんな場所で散歩なんて。」

 

綾子「ふふ、なに?悲しくなってきちゃった?」

 

晴斗「なわけねーだろ。・・・ただ、明日から海外ってのに、最後の最後にこーんな何もないとこで呑気に歩くだけでいいのかって思っただけ。」

 

綾子「何もなくないじゃん。」

 

晴斗「は?」

 

綾子「海あるし。」

 

【晴斗、呆れたようにため息をつく。】

【綾子、晴斗の方を振り返る。】

 

綾子「それに、晴斗もいるでしょ?」

 

晴斗「・・・それを何もないっていうんだよ。」

 

綾子「そう?・・・最後にどうしても来たかったんだー、海。本当はね、お母さんに明日早いから、家にいなさいって言われてたんだけど、抜け出してきちゃった。」

 

晴斗「怒鳴られても知らねーぞ。お前の母ちゃん、怖いし。」

 

綾子「大丈夫、大丈夫。いざとなったら晴斗に無理やり連れだされたっていうから。」

 

晴斗「おまっ、そのために俺呼んだのか。」

 

綾子「ふふ、バレた?」

 

晴斗「はぁ・・・帰るぞ。」

 

綾子「え!?嫌だよ、まだ来たばっかじゃん。」

 

晴斗「俺はお前の母ちゃんに怒られたくねーの。罪被せようとしやがって。」

 

綾子「うそうそ、さっきのは冗談だから。出かけたことバレても、晴斗のせいにしない。」

 

晴斗「ほんとかよ。」

 

綾子「ほんと。」

 

晴斗「・・・ったく。」

 

綾子「そんなにうちのお母さん怖い?」

 

晴斗「こえーよ。他人の子供にマジのげんこつしてくる母親なんかいねぇ。」

 

綾子「あー・・・2人で門限破って遊んだときね。」

 

晴斗「まじで死ぬかと思ったんだぞ、あの時。」

 

綾子「そういえば、あの時もここで遊んでたんだっけ。」

 

晴斗「・・・おう。」

 

綾子「ねぇ、晴斗。」

 

晴斗「なんだよ。」

 

綾子「はい、手出して!」

 

晴斗「は?」

 

綾子「いいから、出して!」

 

【綾子、晴斗の手を引っ張って、手に何かを握らせる。】

 

晴斗「なんだよ、引っ張んなよ。・・・何、これ。」

 

綾子「指輪。」

 

晴斗「見りゃ分かるけど。」

 

綾子「プレゼント、晴斗にあげる。」

 

晴斗「は?なんで。」

 

綾子「別に良いでしょ、何となくあげたい気分だったの。今日でお別れだし。・・・大切にしてね、それ。」

 

晴斗「・・・一応、する。」

 

綾子「一応って何よ。ちゃんと大切にしてよね。」

 

晴斗「分かった分かった。すりゃいいんだろ。」

 

綾子「もう・・・。ほんとにほーんとに大切にしてね。・・・じゃあね、晴斗。今までありがとう。」

 

晴斗「おう。」

 

綾子「最後に会えてよかった。」

 

晴斗「・・・別に最後じゃないだろ。」

 

綾子「え?」

 

晴斗「たまには連絡しろよ、手紙でもメールでも色々あんだろ。死ぬわけじゃないんだし。」

 

綾子「・・・ふふ。」

 

晴斗「なんだよ。」

 

綾子「ふふ、なんでもなーい。」

 

 

―終わり―

 

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