フリー台本『檸檬』【２人用】

２人用のフリー台本です。

３分程度の短い台本になっていますので、

レッスンや稽古等で、ご自由にお使いください。

キャスト総数２人（男１：女１）

所要時間（目安）３分程度

ジャンル恋愛

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『檸檬』

店員「お待たせしやしたー、こちら唐揚げになりまーす」

男「あぁ、すみません」

【男、唐揚げに檸檬をかける】

女「唐揚げに檸檬、かける派？」

男「え、あ、うん。ごめん、かけない人だった？」

女「いや、私もかける派だけど。」

男「そう、なら良かった。」

女「・・・唐揚げに最初に檸檬かけようって思った人ってなんなんだろうね。」

男「え？」

女「唐揚げなんていう油っぽいもの頼みながら、口の中はすっきりさせたいなんて傲慢よね。散々食べときながら、トクホのお茶を飲む人もしかり。」

男「まぁ、そうだね。」

女「すっきりさせたいなら、最初から食べなければいいと思わない？」

男「うーん、唐揚げはおいしいからね、食べたかったんじゃないかな。」

女「そういうものかしら」

男「そういうものなんじゃない、多分」

【間】

女「・・・騒がしいわね。」

男「まぁ、居酒屋だから。」

女「私と話してて楽しい？」

男　「え？」

女「マッチングアプリで知り合った女が、こんな不愛想で面倒くさいやつだなんて、あなたも災難ね。」

男「はは、そうかもしれないね。」

女「別に途中で帰ったっていいのよ。」

男「うん、そうだね。」

【黙々と唐揚げを食べる二人】

女「あなたって、人畜無害そうな顔しといて、意外と変わり者ね。」

男「そうかな？」

女「さっきだって声もかけずに、檸檬かけてたじゃない。普通は、かけていいか確認するものでしょ。」

男「それは悪かったよ、今度からそうする。」

女「それに、私とこうやって話してる。大体の男は、トイレに行ったきり帰ってこないわ。」

男「ははは・・・」

女「帰る。」

男「え？今？」

女「えぇ。」

男「そう・・・それじゃあ、送っていくよ。」

女「別に一人で帰れるわ。」

男「そう、そうだよね。それじゃあ、今日はここで。」

【立ち去ろうとする女】

男「また、今度。」

女「・・・えぇ。」

―終わりー