3人用のフリー台本です。
5分程度の短い朗読台本になっていますので、
レッスンや稽古等で、ご自由にお使いください。
キャスト総数3人(男1:女2)
ポチ子より
たまに会えるくらいがちょうどいい。
所要時間(目安)5分程度
ジャンル恋愛
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無料台本『きゅうりの乗り物』をそのまま読む
『きゅうりの乗り物』
陽菜 「おばあちゃん、元気にしてる?」
涼介 「おう、今日も昼にステーキ食べてた。今は食い終わって、寝てる。」
陽菜 「ふふ、すごいね、欲望に忠実って感じ。」
涼介 「あと20年は生きるな、あれは。」
陽菜 「そうなったら、日本最長寿になっちゃうね。お祝いは何がいいかなぁ。」
涼介 「ステーキでいいんじゃないか。」
陽菜 「ちょっとー、適当だなぁ。最長寿だよ?もっと派手にお祝いしようよ。」
涼介 「20年もあんだから、今から考えなくてもいいだろ。」
陽菜 「ちぇっ冷たいなー。そんなんだから、モテないのよ。もうちょっと乗ってきてくれてもいいのに。・・・そういえば、お盆にステーキって食べていいのかな。」
涼介 「いいんじゃね。葬式じゃないし。」
陽菜 「確かにそうか。でもなんとなくお盆って漬物とかきゅうりとか食べるイメージない?」
涼介 「きゅうりは飾るもんだろ。」
陽菜 「そうだったっけ?・・・あーあ、私もステーキ食べたいなぁ。最後に食べたの、いつだろう。」
涼介 「少なくとも、4年は前だな。」
陽菜 「だよねぇ。・・・4年か、早いな。6歳の子が10歳になっちゃう。」
涼介 「なんだよ、その微妙な例え。」
陽菜 「えぇ?じゃあ、なんていえばいいのよ。」
涼介 「せめて、高校生が大学生になるとか。いろいろあんだろ。年齢で言われても当たり前すぎて、ピンと来ないっつーの。」
陽菜 「なんか、涼介、頭良くなったね。」
涼介 「お前がアホのまんまなだけだろ。」
陽菜 「昔は私とおんなじくらいだったのにな。頭のよさも、身長も。」
涼介 「それ、小学生くらいの話だろ。高校の時にはもう身長越したし。」
陽菜 「えぇ、嘘。ちっちゃかったよ。記憶盛ってんじゃない?」
涼介 「盛ってねぇ。」
陽菜 「私、涼介が高校1年生の時、身体測定で背伸びしてたの知ってるんだから。」
涼介 「うるせぇ。いつまでその話すんだよ。」
陽菜 「だってめちゃくちゃ面白かったんだもん。背伸びするのもダサいし、その後先生に怒られたのもめちゃめちゃダサくてさ。あれは一生語り継げるね。涼介のお母さんにもその日のうちにチクってあげたもん。」
涼介 「まじであれは一生恨んでやるからな。」
陽菜 「ははは、無駄な見栄を張るからそうなんのよ。ざまーみろ。」
涼介 「お前、ほんと最悪。」
陽菜 「ふふふ。はー・・・もう、こんな時間かぁ。」
涼介 「おう。」
陽菜 「そろそろ、帰らないと。」
涼介 「・・・おう。」
陽菜 「時間ってあっという間だよね。続けばいいって思うほど、早く過ぎてっちゃう。」
【陽菜、腕を伸ばす。】
陽菜 「うーん、今年も笑ったなぁ。涼介のおばあちゃんとお母さんにもよろしく言っといてね。」
涼介 「うん、言っとく。」
陽菜 「んじゃ、また来年。忘れちゃだめだよ。」
涼介 「忘れねーよ。」
陽菜 「ふふ、またね。」
涼介 「おう、またな。」
【玄関の扉が開く音】
【涼介の母が帰宅する】
母 「ただいまー。なに、お友達家につれて・・・あれ、今あんた誰かと話してなかった?」
涼介 「いや。」
母 「そう。あんた何でもいいって言うから、オードブルと刺身買ってきたんだけど、これでいいわよね。飲み物もコーラでいいでしょ?」
涼介 「うん。」
母 「おばあちゃんは?」
涼介 「寝てる。」
母 「涼介、あんた、お腹すいた?」
涼介 「普通。」
母 「んじゃ、冷蔵庫にしまっとくから。お母さん、またちょっと出かけてくるから、お腹すいたら先食べてていいからね。」
涼介 「ん。」
母 「じゃあ、行ってくるから。玄関のカギ閉めといてね。」
涼介 「うん。行ってらっしゃい。」
―終わり―