フリー台本『金木犀』【２人用】

２人用のフリー台本です。

２分程度の短い台本になっていますので、

レッスンや稽古等で、ご自由にお使いください。

キャスト総数２人（男１：女１）

所要時間（目安）２分程度

ジャンル恋愛

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『金木犀』

日向「金木犀って知ってる？」

翔太「うん、知ってるけど。」

日向「私、見たことないんだよね。金木犀。というか、金木犀ってどんなの？全然思いつかないんだけど。」

【翔太、スマホの画面を見せる。】

翔太「これ、金木犀。」

日向「んー、やっぱり見たことないかも。」

翔太「庭とかによく植えられてるけど。」

日向「ふーん、やっぱ分かんないなー。」

翔太「俺は、隣の家の庭に植えてあった。」

日向「綺麗？」

翔太「あんま花とか見ないから分かんねーな。まぁ、綺麗なんじゃね？」

日向「えー、何その感想。」

翔太「そんな、人の家に植えてるもの、じっと見ないいつーの。」

日向「・・・なんか、悔しい。」

翔太「なんで？」

【翔太、不思議そうに笑う。】

日向「だって、金木犀が歌詞に入ってる歌って意外とない？そういう曲を聴いたとき、私の頭にはただ曲が流れるだけだけど、翔太の頭にはきちんと金木犀が浮かぶわけじゃない。私も金木犀を知ってたら、きっと綺麗な花を思い浮かべれるんだろうなと思うと、ちょっと負けた気分になる。」

翔太「なんだよ、それ。」

日向「なに、笑ってんのよ。」

翔太「負けず嫌いすぎるだろ、頭に思い浮かばなくらいで悔しいって。」

日向「うるさいな。悔しいものは悔しいの！」

翔太「はは。んじゃ、今から買いにいくか。」

日向「え、金木犀を？」

翔太「うん。なんか調べてみたら金木犀って育てやすいらしい。鉢植えでも育つんだってよ。」

日向「うーん・・・買っちゃう？」

翔太「お前の母さん、びっくりするだろうな。娘が帰ってきたと思ったら、金木犀の鉢植え持ってんだもん。想像しただけで、すげー笑える。」

日向「まぁ、大丈夫。お母さん、植物好きだし。金木犀買ったら、家まで運ぶの手伝ってね。」

翔太「はいはい。」

―終わり―