2人用のフリー台本です。
5分程度の短い台本になっていますので、
声劇やレッスン等で、ご自由にお使いください。
キャスト総数2人(男1:女1)
ポチ子より
足が痺れてる中で、頑張って書きました。
所要時間(目安)5分程度
ジャンル恋愛
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『余命』
萌香「え、私、いつか死ぬん?」
望「・・・は?」
萌香「よくよく考えて私って死ぬん?全然想像できない。不思議だなぁ、どんな感じなんだろ。望は考えたことない?自分が死ぬ時のこと。」
望「ない。リンゴは?食べる?」
萌香「食べる食べる。品種は?」
望「知らん。」
萌香「え!?結構重要だよ、品種!味も全然違うし、私、もしゃもしゃしたやつ嫌いだし。」
望「文句いうなら、剥かないけど。」
萌香「ごめんなさい。ウサギにしてね。」
望「は?嫌だけど、めんどくさい。」
萌香「えー、してよ。一生のお願い!」
望「こんなとこで使うなよ。」
萌香「あれ、なんの話してたっけ。リンゴの品種じゃなくて、ウサギじゃなくって・・・、あっ死ぬ時の話だ!こうやって普通に生きてるとさー死ぬこと想像できないよねぇ。明日が来ない日がいつか絶対来るわけでしょ?はぁー不思議だ。」
望「あのさ。」
萌香「ん?」
望「余命半年のやつがする話?それ。」
萌香「え?する話でしょ。むしろ余命半年のやつがする話でしょ。なんてったって望よりも死が近いからね!」
望「ドヤっ、じゃないわ。気まずいわ、リアクション取りづらいわ。」
萌香「そう?ってか、前から私の話にリアクションなんてとらないじゃん。へーとか、知らないとか、適当で聞いてないし。」
望「そんなことねーし。」
萌香「ありますぅー。」
望「うざっ、その顔。」
【望、萌香のほほを片手で掴む】
萌香「へばっ、なにすんのよ(くぐもった声)」
望「は、変な顔・・・っ・・・」
萌香「・・・望?え、何泣いてんの!?ちょっと泣かないでよぉ・・・泣くほど不細工だった?私の顔。」
望「うるさいっ・・・ほんとお前は。」
萌香「うぎゃーっ、ボロ泣きじゃん。他の患者さんもいるんだから泣き止んでよ。鬼嫁って思われちゃう。」
望「・・・お前、なんで死ぬんだよっ。」
萌香「えー・・・そんな事言われてもなぁ。確かに結婚1年記念日の前日に余命宣告されたのは、ガチで申し訳ないと思ってるよ?吐き気が止まらんくなって、これはもしや・・・って病院行ったら、衝撃の本当に病気パターンで私もびっくりして笑ったけど。あぁ、こんな話は良いか。」
望「・・・っ。」
萌香「えぇ、全然泣き止まないじゃん。元気出して!一応、2年目の結婚記念日前日までは生きてる予定なんだし。なんなら頑張って2年目の記念日まで生きるからさ。」
望「だったら、3年目も4年目も生きろや・・・っ・・・」
萌香「生きる生きる!生きれる気がしてきた、なんか。あと60年は生きれる気する!」
望「・・・っ・・・。」
萌香「・・・だから、泣かないで望。」
―終わり―
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