【フリー台本】シャケ弁当【３人用】

３人用のフリー台本です。

１～３分程度の短い台本になっていますので、

レッスンや稽古等で、ご自由にお使いください。

キャスト総数３人（男２：女１＊性別改変可）

所要時間（目安）１～３分程度

ジャンルコメディー

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フリー台本『シャケ弁当』をそのまま読む

『シャケ弁当』

とある高校の教室、昼食の時間。

弁当に入っているシャケを箸で挟みながら、生徒１が呟く。

生徒１「なぁ、シャケよ。」

生徒２「なんか、始まったよ。」

生徒１「お前はこんなに魅力的なのに、どうして皆、お前を見てくれないんだろう。」

生徒３「十分見てもらえてるだろ、少なくともお前にはな。」

生徒１「おかしいと思わないかい、シャケよ。お前の味はとても魅力的だ。朝ごはん、おにぎり、お茶漬け、弁当、全てにおいてお前の存在は欠かせない。

なのに、お前が主役として扱われることが少なすぎる！私は、それが悲しくてしょうがないんだ。」

生徒２「その心は？」

生徒１「弁当で、おかずがほぼシャケだけにも関わらず、なぜか名前は幕の内弁当。シュウマイが入っていたら、たとえコロッケが８割の弁当でも、シュウマイ弁当と名を称せるのに、どうしてシャケ弁当と言わないんだ。」

生徒３「なんとなくだろ。幕の内の方が馴染みがあるし、豪華そうだろ。」

生徒１「いいや、違う。低俗な市民どもはシャケの力を見くびっているのだ。シャケ弁当？なんか貧相な感じーと、シャケの名を使うの躊躇う。なんて愚かな・・・」

生徒２「さっきからどういうキャラ設定なの、あんた。」

生徒１「私は、シャケを認めようとしない愚か者どもを成敗し、必ずしや、シャケが弁当の天下をとれる時代を作って見せる！」

生徒２「ねぇ、ちょっと責任取ってよね。あんたが「弁当におかずシャケだけとか、かわいそすぎワロタｗ」とか言うから、よくわかんないスイッチ入ったんだからね。」

生徒３「そりゃ、今、令和だぞ。弁当がシャケ一切れと日の丸ご飯だったら笑うだろ。」

生徒１「この程よい塩味、皮の香ばしい匂い。お前さえいれば、他には何も必要ない。そうは思わないかい、シャケよ。」

生徒２「ほら、めちゃめちゃ気にしてるじゃん。」

生徒３「しょうがねーな。はい、唐揚げ。」

生徒１「え！まじ、ありがとう！」

生徒２「さっきまでのキャラどこ行ったんだよ。・・・はぁ、私の卵焼きもあげる。」

生徒１「最高かよ！」

生徒２「で、なんで今日の弁当はそんなことになってんのよ。」

生徒１「いやー、昨日母ちゃんと喧嘩してさ。今日の朝、不機嫌だなーと思ったら、コレ。」

生徒２「前、喧嘩した時は、弁当箱に梅干し一つだったからまだましなんじゃない？」

生徒１「そうかなー。ってか購買って箸だけで売ってるっけ？」

生徒２「まぁ売ってるんじゃない？」

生徒１「んじゃ買ってくるわ。弁当に入ってた箸、トッポだったんだよね。」

生徒３「お前の母ちゃん、極悪人じゃん。いってらー。」

―終わり―